
「モエかん」への独り言。
このゲームを某えろーげ雑誌で見た時、ケロQなるメーカーを知る人はニヤッとしたかまさかと愕然としたかどちらかか、あるいはどちらも通過したか。かくいう私は「二重影」しかやっていないのだが(で、かなり気にいってる)、とりあえず大馬鹿過ぎる設定に期待と不安を寄せてレッツらプレイ。
………。
とりあえず一通りプレイしよう、全てはそれからだ。
あらかじめことわっておくが、このゲームも18歳未満はやってはいけないゲームである、御注意されたし。そしてネタバレも含むので、そこも気をつけて読んで欲しく思う。
ストーリーは簡単に説明できるものじゃないが:
国家レベルの土地と人員と軍隊を持つ企業連合体ACカンパニー、だが人はこの企業を萌えっ娘カンパニー、略してモエかんと呼ぶ。その中で、当カンパニーで育成されるメイドの最終訓練行程試験連絡洋上訓練所となっている、太平洋上に浮かぶ絶海の孤島、通称萌えっ娘島が舞台となる。世界設定がさいえんすふぃくしょんなので結構難しいし、その上組織名というか固有名詞がぽんぽん出てくるのでソレ抜きではこのくらいまでが限界か。でもって萌えっ娘島所長、神崎貴広(主人公、変更不可能)がある日、本社から来たアンドロイド、リニアを受け取るって所から話は始まってしまう。
絵描き、シナリオというよりも:
ケロQなるブランドはここのお二方の力による所が大きいようで、プロデュース、シナリオ、絵描きもSCA-自氏のよる所らしい。絵描きは数人いて、キャラによって、というよかCGによっては結構違うかなと思うこともある。まぁ、「二重影」の頃から男も女も描き方がそれほど変わっていないし、その頃からCGにバラつきがあったのでそれはいいか。
ちなみに前作には少々はあったゲーム的要素は今回はゼロ。選択肢を選んで読む(だけの)ADV風味になってます。
システムまわりについて:
セーブファイルはン十あり、まず足りなくなることはないと思われる。メッセージスキップも早いし、繰り返しプレイに支障のあるようなことはないと思われる。でも自動再生のスピードを調整できないのはちょっとダメかもしれないが自動再生なんてあまり使わないしパソゲーじゃ。その一方でオマケモードは、CGを一方向から順番に流すことしかできないのがかなりダメダメではないかな、これでは「あそこのシーンのCGが見たい」といっても簡単に見られない。一応シーン回想(えちぃシーン回想)はあるんだけどこれも後述。それと、前作とはちょっと毛色の違う、いわゆるハヤリっぽいBGMがあってしかもED、OP共に佐藤裕美さんが歌っているというのに、なぜにもって音楽鑑賞モードがないのだぁ…。
あと、修正ファイルが出ている模様。セーブファイルが勝手に作られるなんてバグもありました。いや、私も一度だけ体験しました、バッドエンド直前のファイルがいきなり現われて「???」と思ったことが。
で、このゲームは:
件のゲーム雑誌の前情報を見て「うわぁメイドさんがいっぱいだぁ萌へ〜」とか思ってプレイする人はいないと思うくらいに有名になったケロQブランドの作品なわけだが、とりあえず前半はヒロインキャラ登場と場所移動によるフラグ立てが中心となり、それによって立ったキャラとの後半戦になる。そして前半は物語の先行き、それもかなり波瀾、というか血生臭いものを覗わせる手掛かりをいくつも見せつつも笑わせてくれ、そして後半はシリアスだったりほのぼのとしていたりバイオレンスだったりと、つまりはやっぱりKAN○Nは偉大だと思わせるシナリオが展開される。
バイオレンスと書いてしまったが、どこまでバイオレンスかというと戦っている奴らは全員人間じゃねぇなと思うくらいにである。平野耕太か中平正彦くらいにはバイオレンスだろうか。
ちなみに、NURSERY CRYMEだとかALICE IN CHAINだとかいう組織名がぽんぽんと出てくるが、なんでもあちらさんの音楽バンドの名前をそのまんま持ってきたらしい。いや、そんな事はどうでもいいですね、コナミだって萩原一至だってやってますし。
シナリオや作品全般についてウンヌン語る前にキャラを紹介する。以下はクリア順で書いている、何故クリア順で書いているのかといえば、それもまた読んでいけばわかるんじゃないかと。
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飯島:男。当然攻略不可。下の名前はあったかどうかも忘れた。なんでオトコから、しかもいきなり飯島から紹介やねんという突っ込みはなし。主人公貴広が所属していたACカンパニー最強の組織PIXIESの部下。しかしながらとある事件により解散させられ、貴広は最果ての萌えっ娘島の所長に左遷、メンバーも別々の部署に回されている、そして飯島もそんな一人で、カンパニー情報部の役員。解散の憂き目にあう原因を作った主人公を憎んでいる…らしいのだが、その中には最果ての島でくすぶっている貴広に苛立ちを感じているものによる所がある、というか大きいと思われる。…後に書いてあるが、あんまり内面について色々書いてもしょうがないのだが…基本的に小悪人。
隷:男? 攻略は多分不可能。男装の麗人…かと思ったら声がないので多分違う…けど(あとはネタバレ高しにつき割愛)。今作品ではリニアシナリオのみに深く関わり、その他のシナリオには殆ど絡んでこない。だからこれ以上は書かない。
おやじさん:そういう名前で紹介されているエンジニアの人。元はACカンパニー内でえらい位置付けの人だったらしいが。きさくで貴広も頭の上がらない良き年輩者。基本的にアンドロイドの整備ウンヌンに関わってくる以上つまりはリニアシナリオでその真価を発揮してくる。そしてリニアシナリオでは漢と書いてオトコと読め。最終決戦に先立って萌えっ娘島の人間が貴広を除いて全員避難しても、リニアを救うために貴広と共に戦うその意気はベスト脇役賞モノである、燃えよ。脇役に感情移入しやすいのは、やっぱりメインヒロインのよーにシナリオによって位置付けがころころ変わるってことがないからだろうか。
リニア:今作品のメインを張るヒロイン。主人公貴広のかつての部下、隷が連れて来たアンドロイド。本人はマジメなのだが、性能がぽんこつさんで色々とガタが来ている、首を振るだけで耳の穴からネジが落ちてくるまるでR-田中一郎のようなロボットぶり。このリニアの存在があまりに強過ぎて、というか最初に出て来たメイドがリニアで暫くは他に出てこないもんだからこの話のメイドってのは全員アンドロイドかと思ってましたと今白状。シナリオの方は、そりゃ『二重影』のバイオレンスアクションなケロQだなぁと思わせてちゃんと萌え(燃え)させてくれるかなりいい展開。リニアがメイド育成に送られてきた事自体から物語は始まっているのだが、おぼろげに見えてくるタイムリミットを感じつつ、息をつかせぬ展開に二転三転する勢力図、そして裏ヒロインとも言える隷との関係にも激しく燃え(萌え)る。用意された設定と世界観をある程度うまく消化してシナリオ立てているので後から考えればホントに別格。ちなみに調教ルートというのもあるのだが未プレイ。各キャラのアフターストーリーを見る限りではあんまり見なくてもよさそうだし。
霧島香織:萌えっ娘島の秘書。つまりは主人公神埼貴広の秘書。有能であり仕事もこなし、そして神崎貴広と互角以上に渡り合える萌えっ娘島唯一の人物。名前は香織とはほとんど呼ばれない。喋りがどういうわけかサ行がタ行に変換されるいわゆる幼児言葉なのだがオツムは極めて優秀。部屋が少女趣味で可愛いモノに目がないのだけど。立ち絵が萌える、そしてリニアシナリオでも萌える、主人公、なんて鈍感で乙女心のわからん奴だと憤慨する自分がいる、ああ萌え、とってもいいやつ。そして霧島香織シナリオ、うがあ〜(十字路^3)。まるでシナリオ書きの悪意さえも見えそうな10週打ち切りジャンプ漫画的展開。おざなりもおざなりで血の涙が出そうになった。ちっくしょうアクセサリー集でもいいから霧島シナリオのアフターストーリーを書きやがれコンチクショウ。その上どのシナリオでもたいがいなのだが、霧島のAFTER
STORYは本編以上にどうでもいい。というか以前紹介した「水素」のオマケ並に蛇足(*)。こ、こんなにいいやつなのにぃっ…!!
鈴希:萌えっ娘島にシナリオ途中から現われ、夜中に社内(屋敷内?)を徘徊するKAN○Nの川澄舞にも似た風味の謎の少女。なにかを求めて徘徊していたらしいが自分でもそれがわかっていないのか敢えて言わないのか。タコヤキ好き。背丈を考えるに子供らしいが、この話の中で精神年齢が一番高いのが霧島香織だしわからんかった、つーか、立ち絵でどのキャラも顔の位置が似たような高さなのでわからなかったと言うべきか(私がマヌケという説もある)。…さて、ここいらに来るとシナリオ分岐後の各枝同士の整合性というモノに疑問を感じ始める。というか、そういうものがないことに気付く。ナンにも考えていないのかわざとなのかはかなり判断に苦しむ所。リニアのボディの問題を始め、貴広の過去話にもそらこじつければ可能かもしれないがどうしてもおかしいだろってな個所が目についてくる。……いや、とっても可愛いのだけど、鈴希本人はもちろんのこと、鈴希にタコ焼きをあげる霧島が。
朝霧かずさ:粛清部隊ALICE IN CHAINから派遣されてきた、貴広護衛をいいつかってきたメイド。料理が得意で、気ままなくせにかまってほしそげな言動はネコそのもの、そしてその正体は…内緒。ここまで来るとシナリオ間の整合性もへったくれもなくなってくる、というか明らかに鈴希シナリオのかずさと設定が矛盾している。そしてよくわからん設定がホントにジャンプ漫画のように後付けされていく。前半と後半ではどー見ても別人だと声を大にしていいたいのだがこれもワザとだろうかと思うとちょっとナンだ。勝手気ままではあるが自分なりのお約束をきっちゃりと備えて「ごちそうさま」と言わない貴広に靴をぶつける前半かずさは一体どこに行きやがったコンチクショウとな。
実相寺冬葉:苗字もすごいが名前もすごいなぁと思う自分。…この人も前半と後半で別人。いや、シナリオの展開上そうなるのだけどもうちょっと言えば前半と中盤と後半でも別人じゃないのか。能力や設定がホントにいくつもいくつも後から「明らかになる」人…と言ってもそれ以上に冬葉本人にぱわーがあるのでそのナンごと飲み込んでしまえるパワーはあると思う、そういうシナリオ。どうもキャラの位置付けや設定を序盤だけの共通シナリオ(?)で見るに、冬葉は力が入ってるんじゃないかと思って一番最後に回してみたら果たしてそうだったということか。とまぁ似て非なるインテリぶってはみたものの、後半は泣くまではいかずとも「ええ話やぁぁぁぁ〜」としみじみ。そして、このシナリオでも霧島はいいヤツだぁぁ、自分のやっている事は果たして正しいのかわからなくなってきた貴広の背中をどんと押してあげる頼もしい秘書、うわぁぁぁぁぁ萌へ〜。霧島がワキで活躍するシナリオはいいなぁ、そしてそれが却ってあまりに不憫だぁぁ。
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で、今のキャラ紹介で大分書いてしまったが、このゲームは一つ一つのシナリオ単体はかなり良いのだが(霧島シナリオは除く……と、書いておこうか)、そのキャラ間の整合性ってモノはまったくない。鈴希シナリオとリニアシナリオにおいて貴広の設定(過去)に明らかに矛盾があるし(というかそもそも貴広の年齢はいくつなのかも謎)、リニアの「病気」の治療法が鈴希及びかずさシナリオと他3人シナリオとでは明らかに矛盾している。これは時間がなかった、だけではゼッタイにない、悪意さえも匂ってきますがな。調教ルートはいってはいないけど、設定倒れとかケロQの作品をやったことがない人が言いそうなくらいに消化しきれていない部分が多く、5人全員見終わった後には「うぬぬぬ…」とかなり悩んでしまった、いや、本気でどういう方向でこのゲームの独り言を書いたらいいものかとな。
だから少なくともKANONをやって特定の女キャラと結ばれちゃったEDを見て「おいおいあゆはどーしたんだよあゆは、まさかあのまま××××で××××かぁンンー? そいや栞とかいうカッターナイフをいつも常備している娘もいたよなぁあの子あのカッターを今頃何に使ってるんだろうなぁ」などと考える人にとってはこの「モエかん」は格好のエサかなりの要注意ゲームであろうと思われちゃうのだ、うーん、なんてこったい、こんなに幾重にもトラップを張り巡らせなくてもいいじゃないのよケロQ。
だからつまり、材料はとってもいいのよ、女キャラはフツーに(いや、それこそ二重影の時からは考えられないくらいに)萌えるし設定は色々と楽しそうだなぁと思わせるし是非ともコイツとコイツの絡みが見たいぜとも思ってついついやってしまうのだが、とりあえず5人のEDを見終わった後の感想はどうか。…多分次のケロQの作品もやりたいと思うんだろうなぁ……そういうものだ。でも褒め言葉にも貶し言葉にもどちらとも取ってもいいので言わせてもらうと、シロウトは近付いてはいけない。そして私はずっとシロウトでいたい。
もう一つ、今言ってしまったが、システムの不親切さなんかを考えると、悪意以外の理由でアラの目立つゲームであることは間違いないと思う。ていうかBGMの試聴もーどはなんでないのだぁあぁぁぁ…
余談だがこのゲーム、なんにもフラグが立たなかったり間違った選択肢を選ぶとバッドエンドになる。主人公貴広はPIXESから太平洋の最果ての所長に左遷されているのだが、つまり育成がうまくいかなかったとかいうナンクセをつけられてシベリア送りにされてしまうというED。恐らくここは笑う所なのだろうが、実際にシベリア送りを経験している私はちっとも笑えなかった。…いや、どうでもいい話ですね。
素直にまとめると:
要するに、ケロQ(というかSCA-自氏か?)がK○N○Nを作ったらこうなりましたみたいなゲームらしい。設定のあっからさまな矛盾ぶりや他シナリオとの繋がりのなさもひょっとしたらわざとやっているんじゃないかとも思ってしまうし、一昔前のジャンプ漫画のように後から後から付け足される設定の山に他シナリオでは色々とおかしいんちゃうんかと思うそれらの設定の数々。たとえるのならメイド好きでもないのにメイド漫画を描いてアニメ化までされてしまった「花右京メイド隊」ともりしげ先生の関係だろうか、あるいは「未来にキスを」と元長征木先生の関係か、いや、前者は言い過ぎか。いずれにせよメイドや萌えそーなキャラにつられてケロQに何の予備知識もなしにプレイするとイタい目を見るのは確実で、予備知識があっても好みは別れそう。そして私はどっちかってーと否。ブランド名で予防線は張られているだろうけどコレは一生懸命伏線や設定を構成しようとしている他シナリオ書きの人が可哀想だしそもそもくりえいとなナリワイについている人に失礼だと思う、では。